〜序章〜
 1984年2月1日。国鉄全国ダイヤ改正において、ひとつの列車が消えていった。
 その名は「ながさき」。門司港−長崎間266.5kmを、8時間も掛けて走破していた夜行普通列車である。


 旧態依然とした客車を連ね、主要駅ではやや長めの休止を繰り返し、のんびりと歩を進める前時代的な列車だった。
 僕は80年代半ばまで北九州在住だったこともあり、短区間の乗車を含めて何度か「ながさき」のお世話になった。廃止から十数年が経過した今でも、思い出の列車を挙げるとしたならば、まずこの列車を連想してしまう。


 ここではその「ながさき」号の旅を再現してみたい。
 時は廃止前夜とも言える1984年1月1日〜2日。僕自身が「お別れ乗車」した日の模様である。


※紀行文は、当時僕がしたためた物に加筆、修正した物です。
 着発時刻は、JTB時刻表1983年8月号より抜粋。
背景:発車前のひととき(門司港にて)