2000年11月24日(金) 17:00。その列車は、まだ門司港駅の留置線に身体を横たえ、まもなく始まる業務に備えていた。小倉側に連結されたDD51のその向こう側に沈み行く太陽は、既に列車のシルエットを映す気力を失いつつあった。
 黄色いヘルメットを被った作業員が、ゆっくりとした歩調でDD51に向かう。どうやら、まもなく入線作業が始まるようだ・・・・
2647列車編
(門司港→折尾間のみ)

乗車日:2000.11.24
門司港にて。まだ留置線に停止中。  50系客車。そのやや濃い赤のカラーリングに驚かされたのが、1979年(昭和54年)。あれから21年が過ぎた。
 久しぶりに目にした赤い50系、通称「レッドトレイン」は、永い年月を経たのに残念ながら旧型客車のような風格は無い。懐古趣味的な感情を揺さぶる風情に乏しく、ただの古ぼけた電車然としている。
 残念・・・と表現したのは、私も鉄道ファンの端くれ。普通客車列車自体が貴重な存在となった今では愛着が沸かないわけではないからだ。登場当時は無機的で馴染み難い印象を持っていたのに我ながら勝手なものだ・・・
 来春には命脈が尽きるのでは?という話題に踊らされているきらいはあるが、レッドトレインを満喫しにここまでやって来た。
動画
門司港(4.03MB 1分32秒)
 17:04。門司港駅1番ホームに、17:22発飯塚行き2647列車となるレッドトレインが、推進運転でそろりそろりと入線してきた。
 このような風景も今ではなかなかお目にかかれない。 先ほど批判めいたことを書いた自分とは対極的な目でそれを眺めた。いいものはいいのである。今日は、この列車で折尾まで行ってみることにしている。
0キロポスト 発車前
動画
門司港(3.11MB 1分11秒)
 列車は定刻に発車した。古びた印象のホームを離れ、ガクンガクンと左右に揺れながら、徐々に集約されて最後に選ばれた線路を夕陽に向かって進んだ。
門司港 小森江 門司 小倉 西小倉 九州
工大前
戸畑 枝光 スペースワールド 八幡 黒崎 陣原 折尾
17:22 17:28 17:31/37 17:45/48 17:51 17:55 17:59 18:03 18:10 18:13 18:17 18:22 18:26
門司にて  次の門司で6分間停車。ここも門司港駅に負けず劣らず古びた印象を振りまいている。先ほど述べた懐古趣味的感情をくすぐる風情のある駅だ。いつかゆっくり観察しようと思う。
動画
門司−小倉間(1.26MB 28秒)
 動画には無いが、次の小倉駅に着く直前、左手にイルミネーションも鮮やかな観覧車が目に止まった。西鉄砂津車庫の跡地に建設された、ショッピングセンターと遊園地の複合施設「CHACHAタウン」で、昨日開業したばかりらしい。 
小倉にて  馴染みの車窓の異変に少々戸惑いと感慨を抱きつつ、列車は門司港、門司とは一転して現代文化の塊的な小倉駅に到着した。場違いと言えば大袈裟だが、少なくとも50系客車の似合う駅ではない。ここでは3分間停車。
 みな4分先行する荒尾行きの各駅停車を選択したのか、帰宅ラッシュの時間帯なのに込み合う気配は全く無い。
動画
小倉付近、戸畑−枝光間他
(2.95MB 1分7秒)
 既に9分通り日が暮れた小倉の街のネオンを眺めながら進み、灯りを映す紫川の鉄橋をゴトゴトと渡った。
 枝光を出ると昨年7月に切り替わった新線区間に進入する(左手に見えるトラス橋は旧ルートを跨ぐ新日鉄の専用線)。
 旧ルート部分が掘り返されているのを複雑な心境で見送ると、左手前方に、またもやイルミネーションに彩られた観覧車と、ライトアップされず寂しげな印象のスペースシャトルが現れた。まもなくスペースワールド駅に到着。
車端部より車内を望む。右手前のドアはトイレ。 スペースワールドにて
 50系客車が登場した頃、誰がこの場所に遊園地と2面4線の立派な駅が出来ると想像しただろうか。
 実はこの駅の出現で枝光に快速が停車しなくなり、沿線住民は少なからず迷惑しているようだ。
 ここでその快速に道を譲る。効率良くダイヤが組まれているようで、撮影のために三脚を構えるやいなや快速が轟々と通過した。この駅にも土曜、休日しか快速が停まらないのだった。
動画
西黒崎付近、折尾(1.04MB 2分00秒)
 黒崎を出ると、左手に明日限りの(正式な廃止は明後日の11/26の)西鉄北九州線の電車が並走した。
 もっとも、今目にしている区間(黒崎駅前−熊西間)の線路はこれからも活躍を続ける(左の動画はこのページで既出です)。
陣の原にて  次はこの21日に開設されたばかりの陣原に停車した。判で捺したような橋上駅で、個性のかけらも感じられない。
 西鉄北九州線廃止の見返りに開設されたような駅だが、この近辺の土地勘が無い私は西鉄陣の原電停の位置が気になって、駅南側を眺めていた。
折尾にて  列車は筑豊本線への短絡線に入り、その短絡線上に設けられた折尾駅に到着した。
 時間は18:26。
門司港から、快速なら40分弱の道のりを1時間も要したことになる。
2647列車編  完