鹿児島中央駅からは指宿枕崎線の普通列車に乗車して指宿駅まで南下する行程でした。そのあと同駅発の特急「指宿のたまて箱6号」で鹿児島中央に戻る行程です。僕にとって10年半ぶりの指宿枕崎線は「いぶたま」こと「指宿のたまて箱」に乗車するためだけの寄り道となってしまいました。

 「はやとの風」編成を撮影した僕は、13:06発の山川行普通列車1339Dを待つ行列に加わりました。
 各乗車口に20人近く(?)が待つホームに入線した列車は、黄色いボディが鮮やかな2両編成のキハ200系気動車でした。当然席は瞬く間に埋まり、出遅れた僕を含めて多くの客が指宿到着まで着席できずじまいでした。
 空いていれば路線の行く末を案ずる一方で、着席できなければ内心「増結しろよ」と嘆く僕。勝手なものです。
 指宿着14:12。
 ホームでは、プランターの菜の花が一足早い春の到来を演出していました。その菜の花と発車寸前の1339Dを絡めてみました。次の停車駅は終点山川です。
 15:06発特急「指宿のたまて箱6号」となる同5号の到着は14:56ですので少々時間がありました。

 まずは逆光にめげず駅舎を撮影。今朝曇りがちの空模様が悪化しないかと案じていたのが嘘のような晴天でした。
 広場で菜の花が咲き乱れているように見えるのは写真の妙で、花壇(ピラミッド状に並べたプランターだったかな?)を強調しただけです。
 駅前広場の一角には、瓦葺の屋根をしつらえられた立派な足湯があり無料で利用できます。自宅を出て20時間以上経過していた僕の足は、自然とそこに向かっていました。

 地方の観光地の駅前は、残念ながら往々にして寂寥感が満ちているものですが、数人の先客が適度な距離を置いて佇むこの日の指宿駅前の足湯は違いました。
 寂しすぎず賑やか過ぎず・・・ うららかな日差しも手伝い、ただのとんぼ返りを覚悟していた僕は期せずして寛げました。
 やや熱めのお湯に足を浸して揉み解せば、ハードスケジュールの乗り倒しで蓄積した疲労がじんわりと抜けていきます。
指宿駅付近の地図です。

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  JR最南端の特急列車  その1 「指宿のたまて箱」
 翌日開催予定の「第32回 いぶすき菜の花マラソン」に参加すると思われる年嵩の男性から「まずはジョギングから・・・」と勧誘されて困惑していた(たまたま居合わせただけらしい)少年に同情しつつ、足湯をあとにしました。


 動画は山川発指宿行の一区間を結ぶ5330Dの到着と鹿児島中央からの「指宿のたまて箱5号」の到着をまとめました。前記の通りこの列車が折り返し同6号となります。

 海側が白、山側が黒に塗り分けられた車体と、それゆえに陰陽太極図を連想する顔の「指宿のたまて箱」号です。登場当初はちょっとした衝撃を受けました。
 その後メディアで幾度も扱われたこともあり目がなれた気がします。ただ撮影する上で露出設定が困難なことに変わりないですね。
 「はやとの風が黒一色だから、こちらは白一色にするか? いや待てよ・・・」と、両者のデザインを手がけた水戸岡鋭治氏が思案したかどうかは定かではありませんが、開いたドアの上部から玉手箱の煙に見立てたミストが噴射されるなどの演出も含めて、遊び心が表現されています。
 「指宿のたまて箱」は「はやとの風」と同様キハ40系気動車のリニューアルです。黄色い車体のキハ200系の方がモダンな優等列車に見えなくもなかったりしますが、車内の仕様は観光特急然としたものです(車内の画像は発車後に撮影)。

 僕などは「指宿枕崎線に特急が走る時代になったのだなぁ」と感慨を覚えたわけで、JRグループの特急列車では最南端を走行する列車でもあります。
 ならばダイヤをもう一工夫してJR最南端の西大山駅にも足を延ばせば更に話題になるのでは?とも考えました。しかし山川以西の閉塞方式や本数の確保(1日3往復)などを考慮すれば、そう簡単ではないことが見て取れます。

 また全席指定なのも観光に特化した現れでしょう。「九州の幸福な鉄道フリーきっぷ」で指定席を利用できる列車のひとつです。山側の席をあてがわれては窓側の席だとしても楽しみが半減すると考えて、海側のカウンター席を予約しました。