2013年(平成25年)1月11日金曜日の夜。

僕は羽田空港20:00発の福岡空港行きスカイマーク027便に搭乗しました。成人の日を含む3連休の前夜でもあり機内は満席でした。

幸い好天に恵まれました。進行方向左側の窓際に着席した僕の眼下には、離陸直後から着陸するまで終始どこかの街灯りが見えました。地図ヲタには堪らないフライトでしたよ。
ただし地形に特徴がないと場所を特定するのは困難です。凝視して考えているうちに機体は先へと進んでしまいます。

弧を描く大阪湾はさすがに一目瞭然でした。およそ10000m上空からは大阪府のほぼ全域と兵庫県の南東部が一望のもとで、大阪市と神戸市とが目と鼻の先のようです。
更にその西側で本州本土と淡路島に挟まれた暗闇を渡る明石海峡大橋は、か細い鎖のようでした。


この視界の中にどれだけの人がいるのだろう。


その数はおそらく一千万人以上でしょう。
時代は進み宇宙旅行が現実味を帯びつつありますが「僕はこの光景で十分だな」などと考えていたのでした・・・・
昨年の11月。小学校の同級生から同窓会の招待状を受け取りました。
これまで3回催された同校の同窓会のうち、5年前に開催された前回以外は出席してきた僕です。もし今回出席するとなればこの時以来10年半振りになります。

北九州市内にあった母校については2002年の項をご覧いただければお分かりいただけます。他校と統合されて廃校となったのが2003年の春ですから、まもなく丸十年となります。

「廃校後10年の節目の年か・・・」

・・・などと思いに耽ることはなく、毎度おなじみ「鉄分補給」を優先して参加を決めた不純な僕です。
それでも本分は同窓会です。妻も参加を快諾してくれました。むしろ年老いた両親の近況確認の必要性も含め「行って当然でしょ?」くらいの感覚で九州行きを勧めてくれました。これは本当にありがたいことでした。


話題を鉄分寄りに軌道修正します。
今回の旅程は1月11日から14日にかけての3泊4日でした。

そして九州生まれの鉄ヲタらしからぬことに部分開業から9年、全線開業から2年を経ようとしている九州新幹線に全く乗車したことがありません。勿論乗車したくないわけがありません。

こんな僕に打って付けのフリーきっぷが発売中でした。「九州の幸福(しあわせ)な鉄道フリーきっぷ」です。
   「九州の幸福(しあわせ)な鉄道フリーきっぷ」とは
発売期間 : 2013年1月12日(月)まで
利用期間 : 2012年12月2日(日)から2013年1月14日(月・祝)まで
有効期間 : 3日間
発売箇所 : JR九州の主な駅のみどりの窓口、JR九州旅行支店、駅旅行センター及び主な旅行会社
価格    : 大人 ¥25,000 / 子供 ¥2,500

※九州新幹線(博多−鹿児島中央間)及びJR九州の特急列車・普通列車の自由席が乗り降り自由(博多南線を除く)。
※利用期間中にJR九州ホールで開催される「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な鉄道展」の入場引換券付き
 ちなみに入場券を別途購入するとなると前売り¥800、当日¥1,000(いずれも大人料金)
※予め座席指定を受ければ特急「ゆふいんの森」「A列車で行こう」「あそぼーい!」「指宿のたまて箱」の普通車指定席を4回まで利用可。
利用期間の終わるタイミングと有効期間が、まるで僕の旅程に合わせてくれたかのような設定です。

地元千葉にはJR九州の支店がないため、同フリーきっぷは郵送で入手しました。
僕の旅としては珍しく、旅の1か月前には指定席券を含めてすべてが整っていました。よってもう旅程を大きく弄るわけにはいきませんでした。
変な話、旅の流れをイメージする期間が長すぎるあまり、旅立ち前の高揚が削がれた感はありました。そして(自らの所業ながら)柄になく準備万端なのは「絶対に何かのフラグに違いない!」と思わずにはいられなかったのでした。
 煌めくターミナルと、この旅に乾杯!? 鹿児島本線博多駅
僕にとっては遊覧に等しかった至福の夜間飛行は、ほぼ定刻通りに着陸して終わりました。

時刻は22:00を回ったところです。早速福岡市地下鉄空港線福岡空港駅に向かい、JR筑肥線直通の西唐津行669Cに乗車しました。
帰省の際は主にレンタカーを使用するため、到着口から地下駅への道のりも入線していた303系電車も新鮮です。

3編成のみ在籍する303系電車に当たったのは運が良かったと取るべきなのかな? それにしても、筑肥線と言えば旧塗装(水色+クリーム色の帯)の103系1500番台車の印象が強い僕の感覚は、時代遅れ過ぎるのかも。

福岡空港駅22:19発、博多駅22:24着。この至便性が福岡空港の大きな武器です。
福岡空港・博多駅付近の地図です。
無事九州入りしましたが実家に向かうのは翌夕の旅程。このあと博多0:15発の熊本行特急「有明7号」に乗車する計画でした。
その発車時刻までは2時間弱。この間に博多駅構内で撮影したあと、駅ビル内の飲食店で旅の始まりの祝杯を上げるつもりでした。

実はこのひと月半ほど僕は禁酒していました(酒抜きの年末年始なんて学生の時以来)。
きっかけは同窓会に向けてダイエットすれば?という妻の進言です。付け焼刃とはわかりながらも野菜中心の食事と食事量の制限にも耐えてきました。

ダイエットの結果「ほっぺの辺りがシュッとした感はある」と妻に言わしめたことだし、今晩と同窓会くらいは脂ぎったもので生ビールをやってもバチは当たらんだろうと考えました。肴はもつ鍋かラーメンか。
入場券を手にホームへ。

結果的に22:30から23:00まで30分間ほどをホームで過ごしました。詳細は下の動画にまとめました。

新幹線開業後の並行在来線といえば優等列車が大幅に廃止されて華やかさが消え失せる例が多いものです。
しかし多駅は例外です。行き来する特急列車の姿に「九州の基幹駅」を体感できました。
4〜5番線の中線に停車中の787系電車(BM−4編成)。こちらは元ビュッフェのサハ787−204です。2003年2月のビュッフェ廃止からも、早10年が経過しようとしています。
まとめ動画をどうぞ(この項の動画は2013年1月20日先行公開済みです)。

僕が乗車する「有明7号」が「ドリームつばめ」の後継にあたることから、その対として「ドリームにちりん」の後継にあたる「ソニック61号」を撮影しました。これが飲食を後回しにしてホームに滞在した真の目的だったりします。画的には他のソニックと変わり映えしません。
鉄活動は一旦切り上げて駅前の様子を撮影しました。

駅正面の一角ではイルミネーションイベント「冬のファンタジー・はかた」が1月17日まで開催中で、週末ということもあり多くの酔客が記念撮影に興じていました。
時計は23時を回りました。撮影の収穫に満足した僕は多くの飲食店が連なるJR博多シティの9階に向かいました。待望の一杯です!

がしかし、大半の店が23時でオーダーストップなのでした。

一見たけなわの店も(声をかけてみたものの)新たな客を受けておらず、食器などの片付けに余念がない店員の姿がありました。例外的に営業する人気のラーメン店は、店頭に7〜8組の客が並んでいたため入店を断念しました。
急激に侘しくなった僕・・・・イルミネーションを眺めて悦に入っている場合ではありませんでした。

もう中洲や天神の屋台まで足を延ばして腰を落ち着ける時間はありません。タクシーに飛び乗れば全く無理というわけではありませんが、そこまでの執着もありませんでした。
駅改札内にコンビニ(ファミリーマート)があることを知らなかった僕は、近接する博多バスターミナル2階のローソンに足を運び、缶ビールとおにぎりにミックスナッツを入手しました。

さすがに寒空の元で祝杯をあげるほど酔狂にはなれません。あと50分近く。すなわち「有明7号」の入線までの辛抱となりました。