国鉄色の競演を愉しむ 北陸本線 糸魚川駅
 北国を巡る旅の二日目は半ばを過ぎていました。2009年8月13日木曜日の昼下がり。僕は越後湯沢行き特急「はくたか15号」の車中にいました。
 睡眠不足に加えて計画通りにことが運んでいたことから気が緩んだのでしょう。富山平野に広がる田畑の単調な景色を眺めるうちに、睡魔に襲われました・・・

 目覚めた瞬間居眠りを悔いながら車窓を確認すると、進行方向左側には日本海が広がっていました。
 曇天の下に続く浜辺に人影は少なく、海原はくすんだような灰色でした。いかにも「冬の海」という色彩を帯びる反面、無風に近いのか凪いでいました。

 下車予定の駅は14:38に到着予定の糸魚川でした。新潟県に入って最初の停車駅です。
 寝過ごしたのではないかと少々焦りながら時計を確認したところ、列車の位置は富山新潟両県境付近だとわかりました。糸魚川到着までは、あと10分少々です。

 寝起きの気だるい身体のまま、定刻に到着した糸魚川駅の1番ホームに下りました。次に乗車する大糸線の南小谷行き普通列車は14:49発です。
 この列車は大糸線、篠ノ井線と乗り継ぎ、例えば塩尻から中央東線経由で東京駅、もしくは同じく塩尻から中央西線経由で名古屋駅に向かうとして、本日中にそれぞれの駅まで特急列車を利用せずに到達できる「最終列車」です。
 更には引退間近と思われ近時とみに人気のキハ52形気動車1両が充当されています。
 本来ならば寝過ごしの危機を乗り越えた我が身の幸運を喜ぶべき状況でしたが(特に青春18きっぷの通用期間中だけに)混雑する車内を想像して憂鬱になっていました。

 重い足と荷物を引きずるように跨線橋を渡っていた僕。そして何気なく直江津方の窓から景色を眺めると眼下に・・・・
国鉄色の475系電車を発見!
瞬時に覚醒した身体で階段を駆け降りて、まずは走り去る「はくたか15号」との並びを撮影しました。
 この列車の乗務員氏に発車時刻を尋ねたところ14:39に発車した「はくたか15号」の後続列車で、14:44発の直江津行き普通列車(543M)だと分かりました。
 跨線橋を取って返して1番ホームから編成写真を撮影。2編成ある国鉄色475系電車のA19編成の方でした。
 後方に写っている気動車が大糸線の南小谷行きです。国鉄色の競演に少々興奮気味で撮影。
動画
糸魚川(3.30MB 38秒)
 543Mの発車です。
 JR西日本富山地域鉄道部糸魚川運転センター所属のキハ52形気動車3両はファンサービスとして国鉄色に変更されており、それぞれキハ52 115がクリーム4号+朱色4号の国鉄標準色、キハ52 125が黄褐色2号+青3号の国鉄旧標準色、キハ52 156が朱色5号の首都圏色(通称タラコ)です。当日の南小谷行き432Dはキハ52 115でした。車両運用の情報はJR西日本のホームページ(例:「糸魚川地域鉄道部からのおしらせ」を検索)に公開されています(当時)。
 2番ホームの富山方の一部を切り欠いたような4番ホームからの発車です。駅長室側(画像の右側が駅本屋)から1番ホーム,2番ホーム,3番ホーム・・・とするのが通例ですが、大糸線の列車の多くが発着する4番ホームは後回しにされたような番付です。
 糸魚川運転センター所属のキハ52形気動車は3両とも1965年(昭和40年)から翌年にかけての製造です。
 このキハ52−115は新製後糸魚川機関区(当時)に所属し※その後越美北線などでの運用を経て糸魚川に再配置された車両です。

※糸魚川機関区の設備の関係から書類上は高岡機関区所属でした。
動画
糸魚川付近(5.62MB 1分05秒)
 車内は案の定立ち客も多く出る状況でした。冷房化された車両ですが扇風機も現役です。列車は定刻に発車しました。