白き幽谷を貫いて   神岡鉄道神岡線 その1
 神岡線猪谷−奥飛騨温泉口間19.1kmは「第一次特定地方交通線」に指定された旧・国鉄神岡線を三井金属鉱業を中心とした第3セクター「神岡鉄道」に転換した路線です。転換交付線としては三陸鉄道に次いで2例目にあたります。
 2004年(平成16年)10月、鉄道部門の収入の7割を占めていた神岡鉱山からの硫酸輸送がトラック輸送へシフトしたのに伴い廃止され、同年12月31日限りで貨物営業が休止されました。貨物輸送の廃止は神岡線廃止への決定打となり、昨年(2005年)6月の取締役会、同8月の臨時株主総会を経て2006年12月1日をもって廃止されることが正式決定したのです。

 今回の旅行ではお名残乗車による混雑を招く前に訪問しようと行程に組み入れたわけですが、プランニングには苦慮しました。それは運行本数が僅かなためだけではありません。
 神岡線のダイヤは独特でJRに接続する猪谷から往復する場合、終点の奥飛騨温泉口で数分後に折り返して猪谷に戻るパターンが皆無なのです。しかも日の短いこの時期、朝北九州を発って明るいうちに神岡線に乗車したあと宿泊地の富山市内に戻るとなると乗車する列車は自ずと絞られます。
 結局神岡までの往路は神岡鉄道。そして富山への帰路は濃飛バスの特急バスを利用することにしました。
 神岡鉄道も速度を落としての運行を行っている模様で、到着時刻の14:48になっても列車の来る気配はありませんでした。
 次の下り列車は14:55発です。ちなみにその前は11:26発ですから3時間半ぶりの下り列車ということになります。
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猪谷(1.91MB 43秒)
 上り列車が3分遅れでゆっくりと到着しました。乗り込んだのは僕ら以外は男性が一人で計3名でした。まともな客は実質僅か1名です。
 「おくひだ1号」と掲げたKM−100形(101)。僚機のKM−150形(151)ともども3セク化と同時に登場しました。
 非貫通のお顔が新鮮に映ります。しかし機器はキハ20系からの流用が多くを占めているとか。
 神岡鉄道と言えばこれ!囲炉裏のレプリカを配したサロンコーナーです。 車内は暖房が効いていますので凍えることはありません。
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猪谷−飛騨中山間(2.87MB 1分05秒)
 本来7分間の折り返し時間が短縮されたため慌しく撮影しているうちに発車しました。
 雪に埋もれた高山本線の軌道と並んで最初のトンネルに突入。このトンネルを潜り抜けた直後に神通川を渡る所が富山、岐阜両県境です。
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猪谷−飛騨中山間他(3.26MB 1分15秒)
 神岡線は神通川の支流高原川に並行して敷設されています。但し全線の6割以上がトンネルのため川の流れを終始目に出来るわけではありませんが。

 飛騨中山駅のホームに小さな祠が見えると思います。神岡鉄道の全7駅には飛騨中山が毘沙門天、次の茂住が福禄寿・・・と「七福神」が祀られています。
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飛騨中山−茂住間他(4.41MB 1分41秒)
 見応えのある急峻な地勢が続きます。富山港線の「おまけ」と考えていたのは大きな間違いでした。(反省)
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茂住−漆山−神岡鉱山前間
(4.43MB 1分41秒)
 漆山駅のホームにはビデオカメラを三脚にセットした同業者が1名いました。目が合ってお互い苦笑い・・・
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神岡鉱山前(3.09MB 1分11秒)
 唯一の有人駅神岡鉱山前に到着です。役目を終えたKMDD130に雪が降り積もっていました・・・ 当駅で「まともな客」の男性が下車したため乗客は僕らだけになってしまいました。
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飛騨神岡付近、神岡大橋付近
(4.87MB 1分52秒)
 神岡鉱山前から先は駅間距離が格段に縮まり、周辺に住宅も目立ち始めました。しかし皆何処に消えたのかと思うほど人影が見当たりません。
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奥飛騨温泉口付近(1.34MB 30秒)
 2分ほど遅れて終点の奥飛騨温泉口に到着しました。