間もなく夜の旅路が始まる。(京都駅にて)  2001年8月3日金曜日。JR京都駅。
 米原から乗車した「ひかり」からホームに降り立った時、熱帯夜の生ぬるい空気が容赦無く身体に纏わり付いて来た。
 京都は冬寒く、そして夏は暑いと聞いてはいたが・・・ このあと駅周辺で夜食を調達するつもりだったが、不快指数の高さに断念した。
 本来は23:10に入線するはずの「ムーンライト山陽・高知・松山」が、23:00には既に入線していたため、空調の効いた車内に逃げ込みたかったのもある。
 ホームの自動販売機に酒類はない。少々侘びしい夜汽車の旅となりそうだが仕方あるまい。
 その1 〜発車前のひと時〜
 当日の編成(京都−下関間9239レ・岡山−高知、松山間8221レ)  ※多度津−松山間の牽引機は未確認
EF65
1137
DE10
1005
オハフ
15
202
オハフ
14
205
オハ
14
254
スハフ
14
202
スロフ
12
3
オロ
12
6
オハフ
15
42
スハフ
14
32
スハフ
14
176
オロ
12
10
京都−
下関
岡山−
高知
ムーンライト山陽 ムーンライト高知 ムーンライト松山
下関行 高知行き 松山行
 「ムーンライト山陽・高知・松山」は夏休み期間をはじめ、多客期に運転される臨時夜行列車で、京都−岡山間は三列車併結運転の形を取る。
 これから乗車する下り列車の場合、岡山で「ムーンライト山陽」と「ムーンライト高知、松山」に分割され、更に予讃線・土讃線の分岐駅である多度津で「ムーンライト高知」と「ムーンライト松山」に分割される。
 今時珍しく分割併結作業に手間の掛かる客車列車である。
 先述の通り発車ホームの7番線に入ると、「ムーンライト山陽・高知・松山」は既に入線していた。
 一夜の宿となる列車の入線風景を眺めようとの目論みは崩れ、仕方なく自分の席に荷物を置いたのち、先頭から最後尾までを眺めることにした。

 まず目に付いたのがEF65の次に連なっていた「ムーンライト山陽」の先頭車で、展望スペースのある車輌だった(画像なし)。京都−博多間を結ぶ「ムーンライト九州」の下り列車の場合、同型車輌が最後尾だから走り去る夜景を眺められるのだが。
 私が乗車する「ムーンライト高知」と展望スペースのある「ムーンライト山陽」は通路が遮断されていた。
 つまり客扱いの停止時以外双方を行き来することはかなわず、車内放送も「ムーンライト山陽」と「ムーンライト高知・松山」は隔絶されていた。
 「ムーンライト高知」と「ムーンライト松山」の京都−多度津間は行き来が可能だった。
 明るい車体色の「ムーンライト山陽」とは違い「ムーンライト高知」「ムーンライト松山」は青い車体に白帯の12系客車と14系客車である。
 外観は旧態のままでも、内部に手を加えられた車輌を連結している。それについて触れておく。
 まずは「ムーンライト高知」の先頭車であるグリーン指定席。
 ボックス席から深深とリクライニングする座席に改造されており、しかも1列+2列で座席の横幅も快速列車らしからぬ(?)余裕である。
 勿論毛布のサービスもあり。
 それに続くのがカーペット車である。
 4人分毎に衝立で仕切られており、小人数の旅だと他人と同じ区画に割り振られてしまうのが玉に傷。閉鎖的ではないので息苦しくは感じないが、当然ながら靴を脱いで横になるので、車内に足の臭いが蔓延気味なのがつらいところ。
 またカーペットの材質も多少肌にチクチクするタイプだから、長袖、長ズボンでないと気になる方も居ることだろう。
 なんだか不満だらけのカーペット車の紹介になってしまった・・・
 ただ、しっかりグリーン料金を徴収するのだから長距離フェリーで言うところの桟敷室並ではまずいと思う。
 かく言う僕も子供の身体的負担を考えて乗車券+グリーン券(カーペット車)に投資したが、これならばグリーン席の方が良かったかな・・・と考えてしまったのが本音である(足の臭い対策でウエットテッシュを持参したのは正解だった。
 続く普通車指定席は簡易リクライニングシートの14系座席車である。
 気を抜くと背もたれの角度がバタンと戻ってしまう簡易リクライニングシートは、夜行列車に限らず有難いものではない。

 自分の席に戻ると発車を前に改札が始まった。
 隣の区画に居たおばあさんは「青春18きっぷ」で利用できるものと勘違いしていたらしく、車掌から説明を受けたのち乗車券を購入していた。
 旅の出鼻をくじかれたようで気の毒だ。
 23:23。大分行き寝台特急「富士」が一足先に発車。
 その4分後、やや強い衝撃とともに多層建て臨時快速列車の旅が始まった。